2級FP技能検定(2022年9月実施)解答・解説 問題1~3

問題 1
ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、関連法規に照らし、最も不適切なものはどれか。
1.社会保険労務士の登録を受けていないFPのAさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、老齢基礎年金や老齢厚生年金の受給要件や請求方法の概要を有償で説明した。
2.弁護士の登録を受けていないFPのBさんは、資産管理の相談に来た顧客の求めに応じ、有償で、当該顧客を委任者とする任意後見契約の受任者となった。
3.金融商品取引業の登録を受けていないFPのCさんは、金融資産運用に関心のある不特定多数の者に対して、有価証券の価値の分析に基づき、インターネットを利用して個別・相対性の高い投資情報を有償で提供した。
4.生命保険募集人の登録を受けていないFPのDさんは、ライフプランの相談に来た顧客に対して、生命保険の一般的な商品性や活用方法を有償で説明した。

正解 

本問は、FPの顧客に対する行為が、法令に照らし合わせて可能な範囲を理解しているかを問う問題です。
有価証券や金融商品の価値等に対するリサーチ及び投資判断を提供し、報酬を得る行為は投資顧問業にあたります。金融商品取引業者として登録を受けていないものがその業を行うことは「金融商品取引法」に違反します。よって選択肢3は誤りです。


1:正しい。社会保険労務士法に定める「労働社会保険諸法令」に関する独占業務にはあたらないため適法です。
2:正しい。任意後見契約にかかる特別な資格は必要ありません。
4:正しい。生命保険の一般的な商品性や活用方法の説明は、保険業法に定める募集にあたりません。金融庁の保険会社向けの総合的な監督指針によって、基本的な考え方が示されています。

問題 2
公的医療保険に関する次の記述の空欄(ア)~(エ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
・ 健康保険の被保険者資格を喪失した者で、喪失日の前日までに引き続き2ヵ月以上被保険者であった者は、所定の申出により、最長で( ア )年間、健康保険の任意継続被保険者となることができる。
・ 全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)の場合、( イ )保険料率は、都道府県ごとに定められているのに対して、( ウ )保険料率は、全国一律に定められている。
・ 国民健康保険の被保険者が( エ )に達すると、その被保険者資格を喪失し、後期高齢者医療制度の被保険者となる。
1.(ア)3 (イ)介護 (ウ)一般 (エ)75歳
2.(ア)2 (イ)一般 (ウ)介護 (エ)75歳
3.(ア)3 (イ)一般 (ウ)介護 (エ)70歳
4.(ア)2 (イ)介護 (ウ)一般 (エ)70歳

正解 

本問は、健康保険の被保険者資格および健康保険料・介護保険料の料率を問う問題です。
以下の解説により、アは2、イは一般、ウは介護、エは75才であり、選択肢2が正解です。
ア:健康保険の任意継続被保険者資格は、最長2年間と定められています。2022年1月の改正では、今まで認められていなかった、任意脱退が認められるようになりました。
イ:全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)の一般保険料率は都道府県ごとに定められています。医療費が抑えられている都道府県では保険料率を下げることができます。
ウ:介護保険料率は全国一律に定められています。
エ:国民健康保険の被保険者が75歳に達すると、今まで加入していた健康保険制度から脱退して、後期高齢者医療制度の被保険者となります。

問題 3
雇用保険法に基づく育児休業給付および介護休業給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.育児休業給付金は、一般被保険者の休業開始日前1年間に、みなし被保険者期間が通算して6ヵ月以上なければ支給されない。
2.育児休業給付金の支給額は、1支給単位期間について、休業開始日から休業日数が通算して300日に達するまでの間は、原則として、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の67%相当額である。
3.介護休業給付金は、同一の対象家族について介護休業を分割して取得する場合、休業開始日から休業日数が通算して93日に達するまでに5回を限度として支給される。
4.一般被保険者の配偶者の父母は、介護休業給付金の支給対象となる家族に該当する。

正解 

1:誤り。現行法令では、育児休業開始日前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あること、とされています。令和3年9月1日以降は、起算日を産前休業開始前等とすることも認められます。
2:誤り。育児休業給付金は、休業開始日から180日目までは休業開始時賃金日額の67%相当額が支給されますが、181日目以降は当該日額の50%相当額となります。
3:誤り。休業開始日から、休業日数が通算して93日に達するまで、3回を限度として支給されます。
4:正しい。介護休業給付の対象家族は、配偶者 (事実婚を含む)、父母、子(法律上の親子関係があること)、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です。

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