2級FP技能検定(2022年9月実施)解答・解説 問題4~6

問題 4
国民年金の保険料に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.国民年金の付加保険料は、将来の一定期間の保険料を前納することができ、前納する期間に応じて所定の額が控除される。
2.第1号被保険者で障害基礎年金または障害等級1級もしくは2級の障害厚生年金を受給している者は、原則として、所定の届出により、保険料の納付が免除される。
3.第1号被保険者が出産する場合、所定の届出により、出産予定月の前月から4ヵ月間(多胎妊娠の場合は出産予定月の3ヵ月前から6ヵ月間)、保険料の納付が免除される。
4.保険料免除期間に係る保険料を追納する場合、追納保険料は、追納する時期にかかわらず、免除された時点における保険料の額となる。

正解 

本問は、国民年金保険料の免除に関する理解度を問う問題です。
国民年金保険料の追納は、免除を受けた当時の保険料額に_経過期間に応じた加算額が上乗せ_されます。免除等の期間の翌年度から起算して、3年度目以降に追納する場合が対象です。よって選択肢4は誤りです。
1:正しい。付加保険料は、国民年金保険料の前納に準じて、一定の割引が受けられます。
2:正しい。障害基礎年金、厚生年金等の障害年金(2級以上)を受けている場合、「国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届」を市区町村に提出することで全額免除となります。障害の認定を受けた月の前月の保険料から免除となります。
3:正しい。選択肢記載のとおりです。産前産後期間の免除制度は、免除期間も老齢基礎年金の受給額に反映されます。

問題 5
公的年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、厚生年金保険法の「被扶養配偶者である期間についての特例」による標準報酬の改定を「3号分割」という。
1.遺族厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢基礎年金の受給権を取得した場合、遺族厚生年金が支給される際には老齢基礎年金も併給される。
2.同一の事由により、障害厚生年金と労働者災害補償保険法に基づく障害補償年金が支給される場合、障害補償年金は所定の調整率により減額され、障害厚生年金は全額支給される。
3.離婚時における厚生年金保険の3号分割の対象となるのは、1986年4月以降の国民年金の第3号被保険者であった期間における、当該第3号被保険者の配偶者に係る厚生年金保険の保険料納付記録(標準報酬月額・標準賞与額)である。
4.老齢厚生年金や遺族厚生年金等の年金給付を受ける権利(基本権)は、原則として、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過したときに時効により消滅する。

正解 

1:正しい。原則として、異なる事由(老齢、障害、遺族)の年金を併給することはできませんが、受給権者が65歳になった場合には、併給することができる特例があります。
2:正しい。雇用保険による補償と厚生年金では、厚生年金が優先して支給されます。障害補償年金が調整される理由は、受け取る年金額の合計が、被災事由の発生前に支給されていた賃金よりも高額になってしまうからです。
3:誤り。3号分割は、平成20年5月1日以降に離婚し、平成20年(2008年)4月1日以降の婚姻期間中に第3号被保険者期間がある場合、相手方の厚生年金記録を2分の1ずつ分割することができる制度です。
4:正しい。国民年金法及び厚生年金保険法により、年金の支払事由発生から5年を経過すると時効のため受給権(基本権)は消滅します。

問題 6
国民年金基金、小規模企業共済および中小企業退職金共済に関する次の記述のうち、最も適切なもの
はどれか。
1.国民年金基金には、国民年金の第1号被保険者だけでなく第3号被保険者も加入することができる。
2.国民年金基金には、国内に住所を有する60歳以上65歳未満の国民年金の任意加入被保険者も加入することができる。
3.小規模企業共済に加入した場合、支払った掛金額に2分の1を乗じた額が小規模企業共済等掛金控除として所得税の所得控除の対象となる。
4.中小企業退職金共済に新規で加入する事業主は、加入月から1年間、掛金月額の2分の1相当額(従業員ごとに5,000円が上限)について国の助成を受けることができる。

正解 

1:誤り。国民年金基金の加入者は、第2号被保険者と任意加入被保険者のみです。
2:正しい。国民年金基金に加入できるのは、国民年金の第1号被保険者のほか、国民年金の任意加入被保険者のうち次の条件の一方を満たす人です。

     ・日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の人

     ・日本国籍を有する海外居住者
3:誤り。小規模企業共済の掛金額は、全額が所得控除となります。
4:誤り。新たに加入する事業主は、加入後4か月目から1年間、国から掛金の2分の1が補助されます。なお、従業員一人当たりの上限額は5,000円です。

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