2級FP技能検定(2022年9月実施)解答・解説 問題13~15
問題1 3
生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 なお、記載のない特約については考慮しないものとする。
1.養老保険では、被保険者が高度障害保険金を受け取った場合、 保険契約は消滅する 。
2.積立利率変動型終身保険では、契約後に積立利率が高くなった場合、契約時に定めた保険金額(基本保険金額 を上回る保険金額を 受け取れる ことがある。
3.外貨建て個人年金保険では、年金を円貨で受け取る場合、外貨と円貨の為替レートの変動により、年金受取総額が払込保険料相当額を下回ることがある。
4.外貨建て終身保険では 、円換算支払特約を付加することで、当該保険契約の締結後から保険金 を受け取る までの為替リスクを回避することができる。
正解 4
1:正しい。養老保険では、被保険者が死亡・高度障害となったときに保険契約が消滅します。よって題意に沿っています。
2:正しい。積立利率変動型終身保険は、運用実績が予定利率を上回った場合に、それに応じて積立金も増加します。 積立利率は、保険会社が保険料の一部を積み立てている部分に対して適用されます。
3:正しい。外貨建て個人年金保険では、保険料の支払い、運用や積立て、保険金や解約返戻金の受取は外貨で行われます。このため、為替レートの変動により年金受取額も変動します。
4:誤り:円換算支払特約は、保険金を円で受け取ることができるという仕組みです。本来は、外貨預金口座を開設して外貨で受け取りますので、その手間を除いただけであり、為替リスクの回避に利用できる性質は持っていません。
問題14
団体生命保険等の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なも のはどれか。
1.団体定期保険(Bグループ保険)は、従業員等が任意に加入する1年更新の保険であり、毎年、保険金額を所定の範囲内で見直すことができる。
2.総合福祉団体定期保険では、ヒューマン・ヴァリュー特約を付加した場合、当該特約の死亡保険金受取人は被保険者の遺族となる。
3.住宅ローンの利用に伴い加入する団体信用生命保険では、被保険者が住宅ローン利用者(債務者)、死亡 保険金受取人が住宅ローン利用者の遺族となる。
4.勤労者財産形成 貯蓄積立保険(一般財形)には、払込保険料の累計額385万円までにかかる利子差益が非課税となる税制上の優遇措置がある。
正解 1
1:正しい。企業(団体)が保険契約者となり、役員・従業員などの遺族保障を目的とする1年更新の定期保険です。役員・従業員などが任意で加入し保険料を負担するため、保険料が安くなります。
2:誤り。総合福祉団体定期保険では、ヒューマン・バリュー特約については、企業の経済的損失補償のために企業が保険金を受け取ります。死亡保険金は、被保険者の遺族に支払われます。
3:誤り。団体信用生命保険は、契約者と死亡保険金受取人が金融機関となり、被保険者が住宅ローン利用者となる生命保険です。このため、金融機関が受け取った保険金が住宅ローンに充当されます。
4:誤り。勤労者財産形成貯蓄積立保険(一般財形)には、税制優遇制度はありません。
問題15
2012年1月1日以後に締結した生命保険契約の保険料に係る生命保険料控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.終身保険の月払保険料について、保険料の支払いがなかったため自動振替貸付により保険料の払込みに充当された金額は、生命保険料控除の対象となる。
2.一般の生命保険料控除、個人年金保険料控除および介護医療保険料控除の控除限度額は、所得税では各3万円である。
3.勤労者財産形成 貯蓄積立保険 (一般財形 の保険料は、一般の生命保険料控除の対象と なる 。
4.特定(三大)疾病保障定期保険の保険料は、介護医療保険料控除の対象となる。
正解 1
1:正しい。自動振替貸付は、保険会社が契約の失効を防ぐために、解約返戻金の範囲で保険料を立て替える制度です。立て替えた保険料であっても、保険料として支払っているため、生命保険料控除の対象です。
2:誤り:2012年1月の改正により、控除限度額は、所得税で各4万円、住民税で各2万8千円となりました。
3:誤り:勤労者財産形成貯蓄積立保険は、所得税法による一般の生命保険料控除の対象外です。
4:誤り:特定疾病保障定期保険は、定期保険に該当します。定期保険の保険料は、一般の生命保険料控除の対象ですから、介護医療保険料控除の対象ではありません。