2級FP技能検定(2022年9月実施)解答・解説 問題25~27

問題25
株式の信用取引の一般的な仕組みに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.金融商品取引法では、株式の信用取引を行う際の委託保証金の額は20万円以上で、かつ、当該取引に係る株式の時価に100分の20を乗じた金額以上でなければならないとされている。
2.信用取引では、売買が成立した後に相場が変動し、その日の終値を基に計算される委託保証金率が、証券会社が定める最低委託保証金維持率を下回った場合、追加保証金を差し入れるなどの方法により、委託保証金の不足を解消しなくてはならない。
3.信用取引では、現物株式を所有していなければ、その株式の「売り」から取引を開始することができない。
4.一般信用取引の建株を制度信用取引の建株に変更することはできるが、制度信用取引の建株を一般信用取引の建株に変更することはできない。

正解 

1:誤り。委託保証金の額は30万円以上で、かつ、当該取引にかかる株式の時価に100分の30を乗じた金額以上でなければならないとされています。
2:正しい。信用取引では、委託保証金率が保たれている必要があります。よって題意に沿っています。
3:誤り。現物株式を所有していなくても「売り」が可能です。この場合、証券会社から株式を借りて取引をすることになるため、決済時には証券会社に株式を返却する必要があります。
4:誤り。信用取引を利用して買い建てた株式または売り建てた株式を「建株」といいます。一般信用取引と制度信用取引間で建株の変更をすることはできません。

問題26
上場会社であるA株式会社(以下「A社」という)に係る株式投資の指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.A社株式のPERは 、125倍である 。
2.A社株式のPBRは 、20倍である 。
3.A社株式の配当利回りは 、30%である。
4.A社のROEは、40%である。

正解 

1:正しい。PER(株価収益率)は、株価÷一株当たりの純利益で求めます。
一株当たり純利益は、12億円÷600万株=200円です。
PER=2500円÷200円=12.5倍
2:誤り。PBR(株価純資産倍率)は、株価÷一株当たりの純資産で求めます。
一株当たり純資産は、300億円÷600万株=5000円です。
PBR=2500円÷5000円=0.5倍です。
3:正しい。配当利回りは、一株当たり年間配当金÷株価×100で求めます。
一株当たり年間配当金は、4億5000万円÷600万株=75円です。
配当利回り=75円÷2500円×100=3.0%です。
4:正しい。ROA(自己資本利益率)は、当期純利益÷自己資本×100で求めます。
ROA=12億円÷300億円×100=4.0%です。

問題27
先物取引やオプション取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.現在保有 している 現物資産が将来値下がりすることに備えるため、先物を売り建てた。
2.将来保有しようとする現物資産が将来値上がりすることに備えるため、先物を買い建てた。
3.現在保有している現物資産が将来値下がりすることに備えるため、プット・オプションを売った。
4.将来保有しようとする現物資産が将来値上がりすることに備えるため、コール・オプションを買った。

正解 

1:正しい。現物資産の値下がりによる損失を回避する手段として有効です。予想どおりに下落しても、売り建てた先物を買い戻せば損失の回避につながります。
2:正しい。将来の値上がりに備えて、現時点の値段で買い建てることは有効です。予想通りに値上がりした場合でも、先物を買っておくことで現時点の値段で買うことができます。
3:誤り。将来の値下がりに備えて、現物資産を今の値段で売る権利をもつことが有効です。そのため、プット・オプション(売る権利)を買っておくことで、損失を軽減することができます。
4:正しい。将来の値上がりに備えて、将来資産を今の値段で買う権利をもつことが有効です。そのため、コール・オプション(買う権利)を買っておくことで、現時点の値段で買うことができます。

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