よくわかる公的年金講座③
厚生年金の被保険者はどう変わった?
平成27年10月1日以降、共済年金は厚生年金保険に統合され、それに伴い、第2号被保険者(厚生年金保険)の被保険者区分が4区分になりました。
これに伴って、新たな区分となった老齢厚生年金等の裁定請求(年金請求)は、日本年金機構に請求することが出来るようになりました。
ただし、年金の決定、支払いなどの事務はそれぞれの実施期間が行います。
厚生年金の被保険者及び実施機関
厚生年金の被保険者は次の①~④に区分され、年金の決定、支払いなどの事務をそれぞれの種別に応じた実施機関が行います。
①第1号厚生年金被保険者
第2号から第4号厚生年金被保険者以外の民間被用者等
実施機関 日本年金機構(厚生労働大臣から委託)
②第2号厚生年金被保険者
国家公務員共済組合員の組合員たる厚生年金被保険者
実施機関 国家公務員共済組合及び国家公務員共済組合連合会
③第3号厚生年金被保険者
地方公務員共済組合員の組合員たる厚生年金被保険者
実施機関 地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会及び地方公務員共済組合連合会
④第4号厚生年金被保険者
私立学校教職員共済制度の加入者たる厚生年金被保険者
実施機関 日本私立学校振興・共済事業団
年金一元化ってなに?
平成27年10月1日に「被用者年金一元化法」が施行され、これまで厚生年金と共済年金に分かれていた被用者の年金制度は厚生年金に統一されました。
主な変更点は次の通りです。
①統一後の厚生年金に関する届出等は、ワンストップサービスとして日本年金機構または各共済組合等のどの窓口でも受付します。
②平成27年10月以降の統一後の厚生年金決定・支払は、これまでどおり、日本年金機構または各共済組合等がそれぞれ行います。
③共済組合等の加入期間がある一方で、統一後に年金を受ける権利が発生する被保険者および受給者の方については、共済組合等のほか、日本年金機構の窓口でも相談できます。
一元化で共済年金と厚生年金保険の際はどのように解消された?
厚生年金と共済年金とで、遺族年金の転給制度(下表)など制度間の差異がありました。
以下の項目については、厚生年金に揃える(厚生年金の女子の支給開始年齢が5年遅れである点については、経過的措置として存続する)など、基本的に厚生年金に揃えることで差異が解消されました。
共済年金 (平成27年9月まで) | 厚生年金保険 (平成27年10月以降) | |
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被保険者の年齢制限 | 年齢制限なし (私学共済を除く) | 70歳になるまで |
未支給年金の給付範囲 | 遺族(亡くなった人によって生計を維持されていた配偶者、子、孫、祖父母)、または遺族がないときの相続人 | 亡くなった人と生計を同じくしていた配偶者、子、孫、祖父母、兄弟姉妹または甥姪などの三親等内の親族 |
障害給付の支給要件 | 保険料納付要件なし | 保険料納付要件あり (原則)初診日(死亡日)の前々月までの保険料納付済期間および保険料免除期間を合算した期間が3分の2以上必要 |
遺族共済年金の転給制度 | 先順位者が失権した場合、次順位者に支給 | 転給制度なし |